毛染のはなし

毛染め、パーマをすると髪が傷むのは何故か。傷まないようにするにはどうしたら良いか。を化学的に解析して髪質改善していく美容院。まずは毛髪内部の残留アルカリを除去。これが大変重要な鍵になって来ます。髪質の状態によっては、ケラチン蛋白質やCMCと呼ばれる間中物質を補給して毛髪内部から補修していきます。これらの作業は酸化還元を伴う薬剤を使用するので家庭では不可能です。専門的な知識と技術が必用なので髪を大切にしたい方はご相談ください

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何も悪いことしてなくても髪は様々な環境にさらされているます。年を追うごとに髪が細くなってきたり。乾燥、パサツキ、アブラっぽい。ボリュームが出ない、ありすぎる。気になる悩みは人それぞれあるように思います。カットの手法やシャンプーの仕方でなんとかなる場合もありますし、その方に合った適切なトリートメントが必用な時もあります。

お悩みの分析

まずは分析から入ります。ヘアスタイルが収まらないのは何故か?美容師側の責任は重大ですよね。カットが悪い場合もありますし、パーマやカラーの薬剤選定があってない場合もあります。薬剤を使う施術ではそれぞれに前処理、中間リンス、後処理が必用なケースが多くあります。担当の美容師さんに相談してみてください。

ホームカラーの注意点

基本的に市販されてる毛染め剤と美容院のそれとは含有成分が若干違います。特に、白髪染め成分は毛根にかなり強い刺激を与えてしまいます。気軽に、しかも値打ちに染められるので、ついつい手を出してしまいがちです。しかし、その頻度が高い方(2ヶ月で3回位染めてる方)はご注意ください。将来的に薄毛に悩む確率がかなり高まってしまいます。50歳代ではまだ大丈夫なのですが、還暦(60歳)を迎えてからその傾向が強まるようです。女性用ウィッグの需要が伸びてるのも、これが一因にもなってます。

おしゃれ染め失敗

美容師が修正するのに一番やっかいなのが、自分で染めたおしゃれ染めの色ムラ。これが本当に難易度が高い。逆に物凄くお金かかるからやめたほうが良い。おしゃれ染めの場合、注意しなきゃいけないポイントがいくつかあります。まず、一つの頭でも発色しやすい場所とそうでない場所があるって事。一本の髪でも根本と毛先では発色が違う。プロの施術でも染毛剤の塗布量や順番。時間差などに注意が必用です。もし自分で染めてて、塗りやすい場所とそうでない場所、塗ってる間に薬がなくなってきた、左右で時間差がついてしまった。もうこの時点で色ムラに向かってまっしぐら。

パーマはどうなの?

パーマによるダメージは、毛染めと比べると圧倒的に頻度が少ないのと、これは美容院でしかできない事なので、ほぼ大丈夫。最近では研究が進んでダメージの少ない薬剤が多く出てきました。研究熱心な美容師さんなら良く知ってますので担当の方と相談してもらえれば、貴女の髪質に合った薬剤を使って素敵なスタイルにしてもらえるでしょう。ただし、ヘアカラーと同時に施す場合は注意が必用。シッカリとケアをしてもらいましょう。

美容院での毛染めの違い。

まず、美容師としての体験的な感覚で申しますと、染まり上がりの髪の艶がキレイなこと。プロがお客様の髪に合った薬剤選定と確かな技術があるからだと思います。それと決定的に違うのは、先程も申しましたが、毛染めに対してしっかりとダメージケアができること。これが一番大きいと思います。あとはテクニック的に様々なバリエーションで染め分けることができます。これによってスタイルの立体感や変化を与える事ができます。そのために美容院での技術料は細分化され、結果、お値段も高くなってきました。

おしゃれ染めで白髪は染まるの?

若い時からずっとおしゃれ染めをしてきたが、最近、白髪も気になりだした。このままでも白髪染まる?との質問。答えは、厳しいかも。です。何故なら、毛染めの原理として、まず、黒髪をブリーチ(色抜き)しながら同時に新しい染料で別の色に仕上げるようになってます。(求めるトーンにもよりますが、)おしゃれ染め用の薬剤は一般的に、染料の含有成分は少なめで色味の風合いを色調でコントロールしてます。逆に、白髪染めは、あまり色抜きしないで、染料多めにできています。なので、おしゃれ染めでも少しは白髪に染まってはいるのでしょうが、色味が入りきってない状態で浮いた感じになり、染まってないと思われます。一番クレームの対象になりやすいパターンです。おしゃれ染めと白髪染の境界線があるわけでもないのですが、最近ではそのニーズを深堀りした新しい毛染め剤も開発されてますので相談してみてください。

pHコントロール

皮膚、毛髪はケラチンを主成分としたタンパク質でできており弱酸性(pH4.5~5.5)を示し、アルカリ成分には非常に弱い性質を持ちます。どちらかと云うと酸性側の方が耐久性があると云われております。しかしながら美容院で扱うパーマ剤や毛染め剤は多くの場合がアルカリ性の薬剤でできています。これを如何に等電点まで上手に戻してあげれるかがヘアケアの重要な課題なのです。これが分かっていて対処できないと、髪が死ぬ状態になってしまいヘアダイと云われる由縁になっています。特に、若年層の方で、高明度、高彩度のヘアカラーを求められる場合は、高アルカリで発色の鋭い薬剤を使用しなければ行けないので特に注意が必用になってきます。比較的ナチュラルカラーをお求めの方なら低アルカリの作用が穏やかな薬剤でも対処できpHコントロールもしやすいです。

毛染め後のシャンプー

何はともあれ薬剤を髪に塗って時間を於けば染まります。それでシャンプーしたら終わりじゃないんです。ここから大切な作業に入ります。毛染めの最終段階が残ってました。まずは軽く湯洗して染まりのチェック。場合によってはシャンプーボールに湯をため、優しくもみ洗いをし、染まり具合の均一化を図ります。その後、あらためてシッカリと湯洗をします。まだシャンプー剤は使いません。髪質と色味をチェックしてから初めてシャンプー剤を選定して優しくシャンプーします。中和剤、安定剤、保湿剤栄養分などを適度なタイミングで添加しながら繰り返して行きます。この時点で先程のpHコントロールを施し安定させ、髪のハリ、コシ、ツヤを求めて行きます。美容院では毛染後のシャンプーまでも毛染めの工程に入っているのです。

ホームカラーの場合

自宅で染める場合は、この様な専門的な処理剤は恐らく手に入りにくいかと思います。その場合はせめて湯洗だけは入念にするよう心がけてください。時間的には10分くらい。かなり長い時間に感じるでしょうしシャワーがもったいないと思うかもしれません。水圧を半分くらいにしてでも湯洗は大切です。なぜなら、髪が毛染剤に浸ってる時間(頭全体を塗り終えてから)は少なくとも20分はおいてあるはず。(塗り始めから考えるともっと長い)毛染剤は強いアルカリ性で、毒性も強いものですから少しでもその害を柔げるためにもお願いしたいです。

毛染剤の種類について

これまでは2種類の薬品を混ぜる染毛剤の話でした。では、その他にはどんな染毛剤があるのでしょうか?まず思い浮かぶのはヘアマニキュア。これは昔からあるので聞いたことあると思います。次に、カラーリンス、カラーシャンプーは新聞雑誌テレビなどで良く宣伝してる通販で買える商品。あとはヘナに代表される草木染の類。自然派の方に好まれていますね。最近若い方達に人気なのは、カラーバターとか呼ばれるもの。マニックパニックが有名ですね。これらは一様に化学反応を使わないので、髪を傷めず染めることができます。そしてノンジアミンであるのも特徴で多くのメーカーが謳い文句にしています。ただ2浴式の染毛剤と違って、色素がキューティクルに付着しイオン交換の力で吸着してるだけなので、明るい栗毛色にはなりません。もう一つ注意点としては、色味チェンジができなくなる。という事。色味チェンジを楽しみにしてる方は気をつけて下さい。では、それぞれの特徴を簡単に解説してみましょう。

酸性カラー

酸性カラーが世に出回るようになって、かれこれ40年近く経とうとしています。この頃からヘアマニキュアと名付けられ、髪をコーティングするイメージでハリやコシ、ツヤを保ちます。薬剤のペーハーはpH3.0付近で健康毛に染まりやすい。地肌に着いて染まってしまうと落とすのが大変なので、あまり市販はされてないようです。

塩基性カラー

法律の規制緩和などで使えるようになった新開発の染毛剤。薬剤のペーハーはpH6.5付近で構成されている。えっ?pH6.5は中性じゃないの?と疑問に思った方は化学的には正解。しかしながら、皮膚毛髪の生理学的な中性点はpH4.5~5.5なので、その着地点から見るとpH6.5は弱アルカリ性(塩基性)と云うことになるのです。健康毛のペーハーはpH4.5~5.0。損傷毛のペーハーはpH5.0~5.5とされているので塩基性カラーは損傷毛に近い毛髪に染まりやすい性質を持ちます。トリートメントのようなクリームタイプで髪が傷むことはないので安心。カラーシャンプー、カラーリンスと呼ばれ幅広く市販されてます。特に彩度の高い物は若い方達に人気。白髪に近くまでブリーチした髪に染めると、ピンクやらブルー、パープルといったサイケデリックな演出できる。マニックパニックは有名です。イメージとしてはパンクロック、ユーロビート、クラブロック(表現に時代を感じるね、)のミュージシャン、韓流アイドルといったところかな?ただし色持ちはあまり良くありません。

草木染

自然派嗜好の方に好まれる染め。色々な素材があるようですがヘナが有名。通販などで市販されます。本当に純粋なヘナなら安全性は高く、アレルギー反応はほとんど起こさないのが特徴。色味はオレンジかインディゴしかありません。ただ、染まるまでにはスゴク時間がかかります。ブレンド使用は可能です。そこで私も色々試して見みましたが、何せ本物の自然相手では、同じブレンドでも髪質の違いでなかなか思った通りの色味は出ませんでした。ヘナは、お抹茶のようなパウダー状です。これをコーヒーや紅茶、中国茶等でマヨネーズ位の固さに溶いて地肌からベッタリと塗りつけます。すると、とても癒やされる心地良い香りするので人によってはアロマテラピーをも感じさせる。欠点としてはシャンプーが大変。もともとが粉なので、なかなか落ちないです。したがって仕上がりは少しゴワついた感触が残ってしまいます。基材は「ヘナ」と謳っていてもグレーブラウン等に染まる製品、早染めできる製品は何かしらの着色料が含まれてる可能性があるので敏感肌の方は注意しましょう。せっかく自然だから大丈夫と思って使っても、アレルギーが出てしまっては残念ですからね。

コラーゲン

飲み物ではありません。残念でした。でも、みんな大好き。万能な保湿剤で美容院でも使用し、市販もされてるので参考までに取り上げておきます。飲料用は別途検索してください。

万能な保湿剤

純粋なコラーゲンはパウダー状になっていて、すぐ水に溶ける水溶性で安全性も高い。化粧水、乳液、ハンドクリーム等、様々な化粧品に混ぜて使うことができます。オールinワンのゲル(ファンデーション)などは典型的な商品。1箇所1回に使う量も極めて少量(0.1~0.2g位がベスト)ちなみに1円玉が1gなので目安になると思います。油脂ではないのでベタつかないのが特徴。保湿効果に優れていて、特に乾燥が気になる季節には便利です。使い方にもよりますが、アカギレなどにも有効に作用するようです。敏感肌などで初めて使うものに躊躇される方は、肘や膝、踵などで試してみてはいかがでしょうか?

毛染めにコラーゲン

さて、ここまではホームカラーに対して散々な事を書いてきましたが、朗報もあります。市販の染毛剤に純粋コラーゲンを混ぜて見ましょう。そのレシピは染毛剤の総量に対して10%程度。化学的な作用はなく染まりに影響ないのと、地肌に対する刺激が微妙にですが緩和されるかも。イメージとしては、アルカリ膨潤した毛髪に染料と一緒に浸透し、髪の保湿を助けてくれる。その効果の結果や持続性は個人差もありますので、保証できるものではありませんが試してみる価値はあります。美容院でも取り入れてる裏技みたいなもので、お店によっては追加料金の対象になってます。

次回は、抜け毛予防について